しろばなさんかく

ボカロと音楽のことを書いていきます

#2020年ボカロ10選 後記

twitter.com

 

※2020年ボカロ10選後記はTwitter上のコメント形式で寸評を書きました。

 備忘の為、ブログにも転載します。

※別途、Striplessレーベル『合成音声音楽の世界2020』の

 「THE 50 SONGS OF 2020」「THE 30 ALBUMS OF 2020」へ一部寄稿しています。

 合わせてご確認下さい。

stripeless.booth.pm

 

 

 

 

 

 

①ボッカデラベリタ/柊キライ

 

一聴したら忘れないキャッチ―なリリック、ダーティーで刺激的なビジュアル。洋楽の中心地=トラップビートのヒップホップと同期しているように思えながらも、「よりシンプルに/普遍的に」が叫ばれるあちらさんのビートメイクに対し真逆を突き進んでるのが非常に痛快。これでもかってくらいの足し算。

 

 

②シェーマ/Chinozo

 

シャッフル気味のビートにリリースカットピアノを足してグルーヴを作ると即ちエレクトスウィングに成るっていうのは最早常識になってしまったわけですが、原義から離れて過剰に適応した結果、トラックが脱臭されスリムで清潔になるっていうのはボカロ特有だなぁ…などど思ったりしています。

 

 

③KANASHIBARI/ゐろは苹果

 

いよわ以降の系譜である不協和音をまとった異形のポップスは突然変異的なものかと思われた節もありましたが、普通に再現性があるところを見ると、おそらく根底にある楽理というか、調律感が単純に別系統でアカデミックな下地が要るからアバンギャルドに聴こえるのかもなぁと思います。まぁよくわからん

 

 

④衛星少女/雨漏りP

 

ポストEDMはbasshouse方面に収束していくかと思えたものの、最近の動向を見ると、どうもそこを経由してさらに2step/GarageといったUKローカルへと揺り戻っていってるような感触があります。より鋭く、舞う様に、スタイリッシュなビートへと洗練されていくのでしょう。カッコいい。

 

 

⑤ディスコ/tama

 

レイト80sも2020年は大分流行ってた印象。その象徴とも言えるディスコを題材にタイトルそのまま直球でぶち込んでくるのは流石にシビれます。「これが俺の考えるディスコだ、聴け」と言うわけで、面倒くさいおじさんに絡まれても倍以上の力で殴り返す自信が無いと出来ないですよね。怖い。圧がある。聴こう

 

 

⑥『バラードじゃ物足りないわ』/Noz.

 

踊るという行為への解像度が足りない…というのはボカロ経由ダンスミュージックが良く言われること。そんな批判をぶっちぎるが如くこれでもかと肉感的なパワーを感じさせる見事なナンバー。ファンキー。このグルーヴならもっと音が汚れていて欲しい…とさえ思っちゃうのは我儘なので忘れてください。

 

 

⑦ヤミタイガール/れるりり

 

いわゆる丸の内進行の大流行を見かねて、ついに古参ボカロPが立ち上がった!?…のかどうかは定かではありませんが。明らかにやり過ぎてパクリと紙一重の逸品を作ってしまった事件の記録です。良いのか?こっぴどく怒られるんじゃないか?とこちらがヒヤヒヤするくらいの円熟っぷりは他の追随を許さない。

 

 

⑧新約;ストレイシープ/NARUMI HELVETICA

 

シューゲイズな音像、日本語詞のチョイス、ミドルテンポの緩いビートといった…どこか柔らかさを感じさせる構成には見覚えがある気がします。nobleとかZoom Lens辺りを参照しているんでしょうか。気になりますね。この辺りの日・米のエレクトロニカがミックスされた感じ大好物なのでもっと聴きたい。

 

 

⑨11 Vapor Lamp/歩く人

 

派流として生まれたsignalwaveですが、youtubeがこのままパブリックライブラリーの側面を維持する以上は、奇をてらわずとも感傷に訴える分本家より長生きするかもなぁ…と妄想しています。それにしても、歩く人はこの手のマイナーな音を歌モノポップスに落とし込むのが上手過ぎる。寄り添うボーカル◎

 

 

⑩おもしろいいきもの/ふるがね

 

不気味さと紙一重の…創られた純真を指してイノセンスと呼ぶのか否かについてはもはや語るべき言葉を無くしてしまったこの頃ですが、人間が歌うとどうしても純度が薄れる、嘘が伴ってしまう領域に位置する楽曲については、やはりまだ暫くはVOCALOIDの独壇場だろうなと。思い知らされる次第です。